■慢性疲労症候群医療講演会 東京
〜 認知拡大と早期発見・診断体制の確立をめざして 〜


講演会動画URL(YouTube)
https://youtu.be/n8C16e2HsnY?t=17m41s
(
冒頭~17:40までは、開演前のテスト放映になります。17:40以降をご覧ください)

(3:21:58
 第三部 質疑応答 (倉恒弘彦教授 他) (11/19第一稿)


【1】

Q1:(3:23:53) 企業人事責任者 石井さんに質問

現在の具体的仕事内容 会社の休職制度、具体的なサポート


 A1:(3:24:19) 石井さん回答

・休職・復職制度

 休職上限3年(他の会社に比べ、非常に恵まれていると思う)

復職後短時間勤務がOK

4時間~、6時間、フルタイムだけれど残業がないなど


・会社による具体的なサポート

いる時間が長い、座っているのがつらい

起立調整障害(POTS)の症状が、朝が症状が悪いので、

現状は、4時間勤務、午後13-17時まで働く


【2】

Q2: (3:27:08) (会場) CFS確定診断の診断基準に満たないが、重篤な疲労感が続いている人もいると思う。

そういう人たちがCFSに悪化していくという事例はあるのか


A2: (3:27:45) 倉恒先生
CFS診断基準の必要項目すべては満たしていないが、重篤な疲労が6ヶ月以上続く場合「特発性(とくはつせい)慢性疲労」と診断。治療が必要

ご紹介いただいた医療機関に治療方法をお伝えし、そこで診てもらっている。


【3】
(3:29:03) 小児慢性疲労症候群について

A3:熊本大学 三池先生が第一人者

・子どもの場合は、診断基準の「疲労が続く期間」は3ヶ月

・特徴として、起立性障害が多い。


【4】(3:30:38) CFSにおける認知行動療法について(加えて、CFSの一般的な治療法について)


A4-1: (3:31:06) CFSの一般的な治療方法(倉恒先生)

・免疫力低下:漢方薬 補剤

・血液検査ー酸化ストレス値高い、抗酸化力低下→抗酸化力を高める治療 

 ・抗酸化力向上:アスコルビン酸(ビタミンC)大量投与 (急性胃粘膜障害を起こす場合は量を減らす)

 ・抗酸化力向上、エネルギー生成:還元型コエンザイムQ10

・自律神経系の異常(起立性調整障害、自律神経系バランス異常、パワー値低下)ー個別に自律神経系是正のための日常生活の生活指導


・上記が有効でない場合:

 脳血流量低下だけでなく、セロトニン系異常がある→SSRI

 セロトニン神経系:疲労の認知、痛みの認知、思考力・認知力の低下、不安

 抗うつ薬として使うのではなく、治療的診断としてセロトニン系をサポートする意味で、非常に少量から増やし、作用・副作用のバランスをみながら投与

A4-2: (3:35:07) 臨床心理士の先生より (名古屋大学附属病院 総合診療科 臨床心理士 藤江先生)

臨床心理士が登場する=CFSを精神疾患とみなしていると思われがちだが、そういうことではない。もっと広いサポートを行っている。


・CFS患者への認知行動療法→労作後(運動をしたあと)の疲労感が強い、というのが特徴

 →どれくらいの運動量、生活スタイルなら大丈夫なのか、調整

 →セーブした活動量と、自分自身の「やりたい」という気持ちの葛藤を整理するお手伝いをする

A4-3: (3:40:54) 倉恒先生

・倉恒先生の外来自体が、広い意味での「認知行動療法」のひとつだと言われる。


社会復帰ができたきっかけ(患者さんの声より)

ー ずっと長く家にいて、寝ていたので、社会復帰は無理だと思っていた。が、先生に

「朝起きた時に、疲労感が軽くなっているなら、そろそろ外に出る時期」だと言われた。

 家族のサポートを得て、外に出てみたら、意外と動けた。

 それが最終的に、復職につながった


【5】

A5-3: (3:43:24) 軽症例・中程度事例での、障害年金・障害者手帳取得事例はあるか?

社会保険労務士などの方に、「事例はある」とは聞いている。
ただ、「厚生年金等の『3級』」などが多い模様。
→後日、サイトインタビュー記事にて掲載予定


【6】

Q6: (3:44:31) 化学物質過敏症・電磁波過敏症合併例の治療について


・化学物質への暴露も、CFS発症のひとつの契機となりうる
・診断・治療については、
そちらの専門機関にお願いする


【7】

Q7:(3:45:00) 医師が診断書を書いてくれない場合の対処(要件を満たしているのに)

A7-1: (3:45:33) 佐藤 各行政区担当窓口に「H26年度慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査事業 事業実施報告署」が2015年9月末付で、厚労省より、各都道府県他に周知されている。
それを持って、窓口に行くのもひとつの方法(※詳細は当ページ最下部に)


A7-2:  (3:46:31) 倉恒先生

医師は、患者さんの状態が重い場合(要件を満たす場合)には、診断書を書く義務がある

なぜ満たしていないのかを説明する必要があると思う


【8】

Q8: (3:47:47) CFS完治の割合、社会復帰の可能性、再発の可能性について


A8:倉恒先生

本人記載で、「社会復帰できた」2割

医師記載では8%


(イメージ的には)PS0になった人は、再発していない

PS1以上で、社会復帰をした人は、割りと再発がある


※Q7 「医師が診断書を書いてくれない場合」等の対処について

・ NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会(ME/CFSの会)サイトより引用させていただきます

「H26年度慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査事業 事業実施報告署」が9月30日に都道府県や政令市、中核市の衛生主管部局、障害保健福祉主管部局宛に周知されたそうです。

身体障害者手帳、補装具・居宅介護等を申請する際には、実態調査の報告書が厚労省から届いているはずですので、担当部署の方に読んでいただけるようにお願いしましょう。患者さんたちの手帳や補装具の取得が、少しでもスムーズになることを願っています。」

https://mecfsj.wordpress.com/2015/10/09/患者の実態調査の最終報告書確定  /


■「慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査結果」報告概要(PDF)

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000104376.pdf


■事業実施報告書 慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査事業(全文)※こちらが重要

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000104377.pdf



■各行政区にて周知されている実例

・長崎県ホームページ(福祉保健部 障害福祉課)

「2015年11月4日 平成26年度慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査結果」として、県のホームページにリンクあり

https://www.pref.nagasaki.jp/section/shogai/

http://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/hukushi-hoken/shogaisha/guide-shogaisha/216476.html